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感謝のメッセージ - express gratitude

ゆめ基金事業「自主研究奨励事業」2023年度活動報告(2)

2024.6.10

大阪大学では学部学生の独創的かつ意欲的な自主研究を奨励しています。9年目である2023年度は54組、101人の学生たちが様々な研究活動を行いました。

骨格の正常発生における老化細胞の関与の検討

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蛯原 薫 歯学部5年
 

この度、未来基金によりご支援いただきました、歯学部5年生の蛯原薫と申します。

 

 私は、「不可逆的な増殖停止状態である“細胞老化”が、骨格の発生過程においても関与しているのではないか」という仮説のもと、①老化細胞の骨格への局在観察、②正常細胞との共培養による老化細胞の周囲への影響の検討、③老化細胞除去による骨格形成への作用の検討を行いました。その結果、“発生時”ではないものの、「若年期から既に、老化細胞が骨の恒常性維持に関与している可能性がある」という結論に至りました。

 

 一つの疑問が、予想外の発見や新たな興味、憧れとなるような方々との出会いへと繋がり、次第に豊かになっていく感覚は、何ものにも代え難い喜びでした。そして、研究活動は日常のあらゆる要素そのものである事を学びました。この研究マインドを大切に、これからも励んで参ります。

 

 興味をとことん追求できる環境と、その成果を分野を超えて発表できる、夢のような機会を与えて下さった全ての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


微生物の医薬品代謝試験への応用~リドカインのヒト代謝を再現する~

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堀 翔​​​​​​ 薬学部3年

 

 大阪大学薬学部薬学科3年生の堀翔です。

 この度は大阪大学未来基金にご寄付頂きました方々に厚く御礼申し上げます。

 

 私は麻酔薬としてよく使用されているリドカインのヒトにおける代謝物を生産する食品由来微生物を探索し、大量培養を行うことで、代謝物を精製、構造を決定しました。本研究は、食品由来微生物がヒト試料の倫理的・コスト的課題を克服した医薬品代謝物を調製するツールとして利用できることを示すユニークな研究として、日本薬学会ではポスター発表において学生優秀賞を受賞し、また本研究の論文がChemical and Pharmaceutical Bulletinにアクセプトされ、Featured Articleにも選出されました。


 本事業を通して、学部1, 2年生の時点で研究の発案から成果発表までを経験することができ、研究に必要な知的好奇心、洞察力、忍耐力といった能力を高めることもできました。これらは通常の大学生活では得ることのできない経験や能力であり、大変有意義な2年間を過ごすことができました。今後は本事業で得た経験や能力を活かして博士課程まで見据えた薬学研究を行い、研究成果を通して社会に還元していきたいと考えています。この度はご支援賜り誠にありがとうございました。


日本の交通バリアフリーの諸問題に関する政策提言 ~複数交通機関乗り継ぎの手続きの簡素化にむけて~

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上野 一志​​​​​​ 文学部4年

 3年間連続でご支援を賜っている上野一志です。

 今年も『視覚障がい者の移動をいかにスムーズにするか?』という研究をしました。留学中の23年度は大手交通事業者の担当者にアドバイスを頂きながら研究を行いました。

 

 基金は、視覚障がい者、盲導犬ユーザーのアンケート調査、大手交通事業者の担当者様との会談、ロンドンでの実験のために使いました。先行事例を実際に体験したこと、全国規模のアンケート調査で見えてこなかった問題点などが明らかになりました。

 

 やっと理想と現実の差を突き付けられました。しかし、今回の研究を通して所属ボランティア団体と大手事業者の担当者様をおつなぎする機会にも恵まれました。支援終了後も関西圏で新しいことができないか模索しているところです。

 

 本事業を通して『地域に生き、世界に延びる』ということを意識し、学問的な立場から社会へ貢献するということの困難を理解できました。いつか誰もがなんのためらいもなく旅行できるように、この研究事業でできた人脈と知識と経験を用いてこれからも改善に努めていきたいと思う次第です。


 

 

 

ゆめ基金事業「自主研究奨励事業」とは

学部学生のうちから、自ら課題を見つけ研究する学生を支援することを目的に、1研究に対して1名の教員がアドバイザー教員となり、学生の研究活動の指導、及び1研究当たり上限40万円程度の研究費を助成しています。2023年度は54組、101人の学部学生に対して、支援を行いました。

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