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感謝のメッセージ - express gratitude

ゆめ基金事業「自主研究奨励事業」2022年度活動報告(1)

2023.5.19

大阪大学では学部学生の独創的かつ意欲的な自主研究を奨励しています。8年目である2022年度は39組、90人の学生たちが様々な研究活動を行いました。

「男性問題」の語りにくさとケアの倫理 ─パートナー関係における男性性についての考察を手がかりに─

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三原 悠佑 法学部4年

 令和4年度の学部学生による自主研究奨励事業によりご支援いただきました、法学部4年の三原悠祐と申します。 


 本事業においては、理論的に非常に複雑な問題をはらむ「男性の生きづらさ」について、倫理学の理論の一つである「ケアの倫理」を応用することで論じるという研究を行いました。
 

 ケアの倫理は、近年かなり注目度が高まってきている一方で、重要な文献の多くが絶版であり、私費での入手が難しい状況にあります。人文学における研究の要とも言える文献を入手するにあたって、本事業により多大なるご支援をいただきました。
 

 初めての研究活動でしたが、アドバイザーの先生のご尽力と、本事業からのご支援があったからこそ、約半年ものあいだ、楽しく充実した研究活動に臨めました。今後も研究活動に邁進したいと考えておりますが、そのように思えたのもこの度この素晴らしい機会をいただけたからこそです。本当にありがとうございました。


ロシアとの平和条約締結のゆくえ

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小川 亮拓​​​​​ 法学部国際公共政策学科4年
 

 こんにちは。法学部国際公共政策学科4年生の小川亮拓です。

 この度は、研究への多大なるご支援をいただき、本当にありがとうございました。
 今回は「ロシアとの平和条約締結のゆくえ」のテーマ設定で日露間の平和条約締結交渉の将来について探りました。この際、多数の書籍や文献の調査・東京の国立国会図書館や外交史料館の訪問等を行いました。

 大学生では金銭的には厳しい内容もありましたが、ご支援をいただいて実施することができました。研究成果が評価され、最終的には法学部代表に選ばれて大学全体の場で発表を行うという貴重な経験をさせていただくに至りました。高いレベルまで研究を突き詰められたのも、皆様のご支援があったからこそだと思います。本当にありがとうございました。
 

 残る大学生活は1年ですが、入学時から始まったコロナ禍も落ち着きを見せ始めています。勉学はもちろん、大学生でしか経験できないたくさんのことに挑戦していきたいと思います。


大学生の予算制約、時間制約における選択が行動に与える影響、およびその行動が学生の現在、将来に与える影響

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源 慎太郎 経済学部経済経営学科4年

 

 我々は、奨学金の有無が勉強時間にどう影響を与えるのか、また、勉強時間の変化がメンタルヘルスに影響を与えるのかについてアンケート調査をもとに計量経済学の手法で分析しました。結果としましては、奨学金の有無が勉強時間に差を生むとは言えず、勉強時間の変化によるメンタルヘルスへの影響に関しても差があるとは言えませんでした。以上の結果から、「学問を奨励する」奨学金を現行の奨学金制度とは違うアプローチで検討しました。
 

 アンケートを行うにあたって、細かい時間に関する質問やメンタルヘルスに関連する質問など合わせて91問を作成し、それを社会経済研究所の先生に協力して頂いて397名の回答を得ることができました。これは研究費として頂いている自主研究奨励費が無ければできませんでした。既存のアンケート結果を利用するのではなく、分析手法から逆算して自分たちで質問内容を考えたり、そうやって得られたデータを一から分析したりすることは大変貴重な経験で、さらに最後は研究発表をする機会まで頂いて、非常に多くのことを学ばせて頂きました。


 この貴重な経験を活かし、今後も研究活動など一層励んで参ります。改めまして、このような機会を与えて頂きましたこと、心より御礼申し上げます。


生物が重金属イオンから身を守る仕組みに着想を得た高分子の開発と金属イオンの吸着能の評価

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岡本 愛乃​​​​​ 理学部化学科3年


 理学部化学科3年生の岡本愛乃です。

 私は2年生のときに、理学研究科高分子専攻の 橋爪先生、中畑先生のもとで学部学生による自主研究奨励事業に参加させていただきました。
 

 「生物着想型重金属イオン吸着高分子の開発」というテーマで高分子の設計から合成、測定などを行いました。重金属イオンの吸着測定では世界記録に迫るような値をとる高分子を開発できたことなどを、全学選抜自主研究成果発表会にて発表しました。
 

 私が本来であれば学部4年生の研究室配属後に行うことができるような、本格的な測定器具や試薬を使った研究や、測定結果から先生方とディスカッションを行い、そこで出た新たな疑問を探るためにさらに研究を重ねることなど、学部2年生ではなかなか経験できないような貴重な体験をさせていただきました。

 私がこのような体験を行うことができたのは、大阪大学未来基金へご寄付してくださっている皆様のご支援によるものであり、厚く御礼申し上げます。


粘菌の条件付けによる受容器官と学習記憶メカニズムの解析

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仲間 菜々子​​​​​​ 医学部医学科4年


 医学部医学科の仲間菜々子と申します。

 今回、私は大阪未来基金のご支援により、学部学生の自主研究として「粘菌の条件付けによる受容器官と学習記憶メカニズムの解析」という研究を行いました。かねてより粘菌を飼育しており、自宅でできる実験に限りがあることに頭を悩ませていたところ、今回の自主研究奨励事業に応募し、採択していただきました。
 

 粘菌は単細胞生物でありながら、迷路を解くことが出来るなど、様々な行動を見せます。私はその中で触覚に注目し、粘菌が飼育されている培地の硬さを認識していること、培地の硬さによって餌の場所を学習できる可能性があることを発見しました。また、これらの触覚に関わる可能性のある遺伝子を推定し、実験を行うことでこの遺伝子の関与も見出しました。

 
 今後も研究を続け、粘菌の触覚に関わる遺伝子の同定を目指したいと考えています。また、今回研究した遺伝子はヒトをはじめとした様々な細胞にも存在しているため、発生学や病態研究にも応用できるのではないかと考えております。
 

 今回はご支援を賜り、ありがとうございました。


ゆめ基金事業「自主研究奨励事業」とは

学部学生のうちから、自ら課題を見つけ研究する学生を支援することを目的に、1研究に対して1名の教員がアドバイザー教員となり、学生の研究活動の指導、及び1研究当たり上限40万円程度の研究費を助成しています。2022年度は39組、90人の学部学生に対して、支援を行いました。

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