bt_header_menu.gif
logo_header.gif
bt_header_donation.gif
 

感謝のメッセージ - express gratitude

ゆめ基金事業「自主研究奨励事業」2021年度活動報告(1)

2022.6.9

大阪大学では学部学生の独創的かつ意欲的な自主研究を奨励しています。7年目である2021年度は50組、129人の学生たちが様々な研究活動を行いました。

電子書籍における装幀の問題—デジタル時代の漱石を手がかりに—
IMG_4345-1.jpg

高堂 時彦 文学部4年

 大阪大学文学部人文学科美学専修4年の高堂時彦と申します。この度は「学部学生による自主研究奨励事業」へのご支援、誠にありがとうございました。

 今回の研究では『電子書籍における装幀の問題—デジタル時代の漱石を手がかりに—』という題目で、漱石の著作を軸に、書物メディアのデザインにどのような思想背景があり、それらが今後どのような可能性を取り得るのかということについて問いました。成果として、書物というメディアには「内容面」と「形式面」の2つの区別が適用でき、現代に近づくにつれ「内容面」が重視されるようになったということが確認できました。
 また、今回の活動を通して「文理融合」という課題の現状および、現在「人文科学」が置かれている境遇がいかなるものであるのかということを実感することができました。こうした知見を糧に、今後も邁進していきたいと思います。
 改めまして、ご支援いただき誠にありがとうございました。


ジャック・デリダの前期思想における歴史の問題―デリダのフッサール読解に着目して―
0c82fa05569e1cd691bdaee2f149f9a7.jpg

2022年5月3日の全学選抜自主研究成果発表会の登壇後、大学会館前にて

中谷 碩岐 人間科学部4年

 この度は「学部学生による自主研究奨励事業」にご支援をいただき、ありがとうございました。

 本研究は、フランスの哲学者ジャック・デリダの思想の内実をフッサール現象学やフーコーの歴史観の批判的受容という観点から明らかにすることを試みたものです(研究成果は日仏哲学会2022年秋季大会にて発表予定)。
 哲学研究は理系と比べて費用が掛からないとはいえ、研究のために読む必要のある文献の値段は高騰し続けています。その結果、学部生は自身の研究対象の思想家の著作を揃えるどころか、特に扱いたい著作を数冊自費で購入して精読するという形を取らざるを得ないという、研究手法にすら影響を与えかねない苦しい現状があります。
 こうした状況の中、2年続けて自主研究奨励事業に支援いただくことで、デリダ以外にも様々な哲学者の本を読み、寄り道しながら研究活動を行うことが出来たことは、非常に幸運、かつ貴重な経験でした。今後もこの経験を糧に、研究活動に取り組んでいきたいと思います。重ねて御礼申し上げます。

コロナ禍で思いがけず変貌した大学生活は大学生の将来選択に影響するのか
29d3bc99193cb0b837fb8cc53f050ae5.png

豊中キャンパスでのアンケートの様子


溝口 千遥 法学部4年

 この度は大阪大学未来基金にご寄付いただき、私たちの研究事業を支えていただきありがとうございました。皆様のおかげで、文理合わせて500人を超える学生へアンケート調査を実施し、コロナ禍の大学環境が阪大生に与えた影響を分析することができました。

 コロナ禍の大学環境では様々な変化がありました。その実態を学生である私たちが研究することで、少しでも今後の大学の在り方に貢献したいと考えました。約1年間の研究を通して、人との関わり方、特に学部や学科の友人との関わりが重要であることがわかりました。そのような友人との関わりが私たちの教育成果や大学への満足度を左右するためです。コロナ禍に大学の友人との関わりが薄くなったことで、私たちは気が付かないうちに、本当は得られたはずの大学生活の成果を失っているのかもしれません。コロナ禍で変化した大学環境には、まだまだ改善の余地が残されています。本研究が少しでも大学側にとって今後の参考となり、大学環境のさらなる充実に貢献できれば幸いです。
 最後になりますが、本調査に回答してくださった学生の皆さまにも心からお礼申し上げます。
 

鼻腔カテーテルを用いた造影剤投与実習用ファントムの作成
IMG_1801-scaled.jpg

2022年5月3日の成果発表会の登壇後、大学会館にて

柿木 大樹 医学部4年

 医学部保健学科放射線技術科学専攻4年生の柿木です。この度は大阪大学未来基金「学部学生による自主研究奨励事業」にご寄付いただきまして、誠にありがとうございました。

 我々は令和3年度の自主研究奨励事業で「鼻腔カテーテルを用いた造影剤投与実習用ファントムの作成について」の研究を行いました。本研究では2021年10月の診療放射線技師の業務拡大に基づき、新たに追加された業務の教育実習を可能とするファントムを作成し、実際にファントムに対して上部消化管造影検査を実施しました。その結果、鼻腔カテーテルからの造影と撮影、抜去の一連の手技を実臨床に近い形で行うことが可能だったため、上部消化管造影検査の教育実習において有用と判断しました。
 本研究を通じて上部消化管造影検査について深く勉強し、実際に臨床現場で使用する器具を取り扱えたことで、医療現場における診療放射線技師の存在意義を体得することが出来たと思います。
 最後に繰り返しとなりますが、この度は自主研究を行う機会を下さった皆様方に深く感謝申し上げます。

細菌性髄膜炎の発症につながる新たな細菌伝播機構の解析
IMG_4175-scaled.jpg
谷口 まふゆ 歯学部5年

 歯学部5年生の谷口まふゆです。この度は大阪大学未来基金に寄付してくださり、また自主研究奨励事業をご支援いただき、ありがとうござました。

 私たちは令和3年度の自主研究奨励事業において、鼻咽腔に生息する肺炎球菌という細菌がどのように脳へ伝播し、細菌性髄膜炎という病気を引き起こすのかについての研究を行いました。今回の研究では、従来の血液を介した経路とは異なり、鼻粘膜から感染した肺炎球菌が、非血行性に脳組織へ伝播するという新たな伝播経路が存在することが分かりました。この新しい経路の発見は、経鼻ワクチンの開発や抗菌薬の経鼻投与など、新たな細菌性髄膜炎の予防・治療法の提案につながると考えております。
 今回の研究を通して従来の考え方に捉われず、広い視野を持つことが大切だと実感しました。この経験を生かし、多様な方向からアプローチすることができる歯科医師を目指します。改めまして研究活動の機会をいただきましたことを心より御礼申し上げます。

ゆめ基金事業「自主研究奨励事業」とは

学部学生のうちから、自ら課題を見つけ研究する学生を支援することを目的に、1研究に対して1名の教員がアドバイザー教員となり、学生の研究活動の指導、及び1研究当たり約2万円~約40万円の研究費を助成しています。2021年度は50組、129人の学部学生に対して、支援を行いました。

  • このプロジェクトの詳細を見る
  • このプロジェクトに寄付をする
 

 

トップへ

ご寄付はこちら